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鳴子 華菜−2−
菁「大体さ……神様のパワーって、なにが出来るんだ?」
華菜「ふっふっふ……見て驚くなよ? カトリーヌよ! 例のものをこれに用意せいっ!!」
カトリーヌ「ははっ! カナさましばしお待ちを!!」
部屋の隅で何か段ボール箱の中に頭を突っ込んでガチャガチャと引っ掻き回していたカッパが、やがてが用意したのは1本のロウソク。
ちゃぶ台の上に置かれた皿の上に立てられたロウソクに灯がともされる。
華菜「よいか? このロウソクの火を、よく見ておるのじゃ!」
華菜は仰々しく腕まくりをすると、右手をろうそくの炎にかざす。
華菜「……サプラァイズ……」
そう言うと同時に、華菜が右手に神経を集中すると、風もない室内で、ろうそくの炎が震えだす……。
華菜「み、見ておるか!? ロウソクの炎が揺れておるのがわかるじゃろう!!」
カトリーヌ「カ、カナさま! もう少しや! 行ける! 今日のカナ様は来てはるで!!」
菁「…………………………………………」
華菜「見よセイ! もうスグじゃ! もうすぐロウソクの火が消えおるぞ!! その瞬間を見逃すでないぞ!?」
菁「……フッ!!」
俺が短く息を吹きかけると、ロウソクの炎は、アッサリと消えた。
華菜「あぁっ!!!?」
菁「あぁ!? じゃなくてさ……吹いて消せよ、ロウソクぐらい……」
華菜「だっ! バッ……!! それでは神の奇跡の意味がないであろ!」
菁「あのさ、俺もう帰っていい?」
華菜「ま、待て! 待てと言うに! き、ききき、貴様は今! 神をないがしろにしようとしておるのだぞ! この不敬者が!!」
菁「えぇい放せっ! なぜ俺がこんなションボリマジックショーに付き合わねばならんのだ!!」
華菜「ションボリ言うな! マジックではない! 奇跡じゃぞ奇跡!!」
菁「鼻息にも負けるようなしょっぱい奇跡とか要らん! というかオマエ、本当に神様なのか!?」
華菜「まぁ聞け! 私の話を聞け! 5分だけでもいい!」
菁「どうせ長くってウザッたい話なんだろ!? 聞きたくない!」
……とまぁ、ここで俺にすがりつく華菜に華麗に蹴りを見舞い、風のように立ち去ることも出来たのだが……。
流石にそこまでしてしまうと、
『オマエどんなだけ貧乳キャラに冷たいんだよ! オマエは貧乳の希少価値をまるでわかっていない、あぁ、わかっていないとも!』
と、極一部の連中から非難を浴びる結果になることは明白だ。
とは言え、流石にダラダラと説明されるのは真っ平ゴメンである。
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