ゼノ「‥リアン様‥? 少しよろしいでしょうか‥?」

リアン「‥な、なんです‥?」

ゼノ「‥(リアン様‥これは好機です)‥」

リアン「‥(‥な、なにを訳のわからないことを‥それより貴女、主人の同衾を盗み見るなど‥! なんとはしたない!)‥」

ゼノ「‥(‥‥‥‥‥‥‥‥)‥」

ゴツンッ!

リアン「‥(‥だっ!)‥」

ゼノ「‥(お聞きくださいリアン様‥)‥」

リアン「‥(あ‥ちょ‥貴女‥今、主人のデコに頭突きを‥!)‥」

ゼノ「‥(いいですか‥? リアン様は、何をしに日本にいらしたのですか?)‥」

リアン「‥(‥それは‥潤様の、妻となるべく‥)‥」

ゼノ「‥(でしたら‥今この機会に、処女をささげておくべきです‥)‥」

リアン「‥(なぜです? 別に焦らずとも、潤様はゆっくりと考えろと‥)‥」

ゼノ「‥(‥考える時間を与えてもらえると言うことは、相手にも考える時間を与えてしまうことになるのです!)‥」

リアン「‥(それが何故いけないのです‥? 潤様にも、私を知っていただけると言うことでしょう‥?)‥」

ゼノ「‥(‥ハァ‥これだから貴族のお嬢様は‥)‥」

リアン「‥(ちょっと‥貴女、だんだんキャラが変わってきていませんか!?)‥」

ゼノ「‥(つまりは、そういうことです‥人とは時と共に、色々な表情を見せるもの‥)‥」

ゼノ「‥(いま潤様が語られたリアン様へのお言葉も、明日には別の意見に取って代わる可能性があるのです‥)‥」

リアン「‥(‥そ、そんなことはありません! 潤様の私へのお気持ちに嘘があるとは思えません! そう、二人の絆は、月の絆よりも深く‥永遠に‥)‥」

ゼノ「‥(‥ハァ‥)‥」

リアン「‥(‥な、なんです‥!?)‥」

ゼノ「‥(‥貴族貴族‥弱りましたね、貴族には‥)‥」

リアン「‥(殴りますよ!?)‥」

ゼノ「‥(その時は、潤様に慰めていただきます‥)‥」

リアン「‥(‥貴女!)‥」

ゼノ「‥(よろしいですか、リアン様。 好機は今! 今こそが好機! 幸いにも、金髪ヤンキーも居ない今! 潤様の欲望を満たす存在は、リアン様だけなのですよ!?)‥」

リアン「‥(‥あ‥ぅ‥そ、そう‥?)‥」

ゼノ「‥(‥いえ‥まぁ、潤様が望まれれば、エルシェラント様や私は‥その、拒みはしませんが‥)‥」

リアン「‥(拒みなさい! 特に貴女は!)‥」

ゼノ「‥(なぜです‥?)‥」

リアン「‥(主人を差し置いて、なにをする気ですか貴女は!)‥」

ゼノ「‥(‥ナニをする気ですが?)‥」

リアン「‥(このっ!)‥」

ゴツンッ!

ゼノ「‥(‥‥‥‥‥‥‥‥‥)‥」

リアン「‥(‥いぃ痛ったぁ! こ‥の‥石頭! くぅ‥)‥」

ゼノ「‥(ライカンの頭蓋骨は人間の1.7倍の厚みがあります‥あまり無茶をなされませぬよう‥)‥」

リアン「‥(‥涙出てきました‥)‥」

ゼノ「‥(よろしいですか、リアン様‥。 男という物はですね、口では綺麗な言葉を選んで『キミが大切だから』みたいなことを言うものです‥)‥」

ゼノ「‥(ですが、実際は、気持ちよくオ○ンコさせてくれる女が一番好きなのです!)‥」

リアン「‥(‥潤様に限って‥そんなことは‥)‥」

ゼノ「‥(潤様‥あぁ見えて、結構黒いですよ‥? 口ではリアンリアン言っておきながら、裏では金髪ヤンキーと、仲良く深夜の下水管掃除です‥それはもうズボズボと‥)‥」

リアン「‥(‥む‥)‥」

ゼノ「‥(腹が立ってきましたね‥?)‥」

リアン「‥(当然です!)‥」

ゼノ「‥(では、ヤッときますか‥?)‥」

リアン「‥(‥いえ‥でも‥それは‥)‥」

ゼノ「‥(何度でも言いますよ? 男は、何もさせてくれない美人より、何でもさせてくれるブスを選びます‥これは、ライカン族に伝わる諺になるほどの真理です‥)‥」

リアン「‥(な‥わ、私だって‥別に何もさせないとは言っていません! た、ただ‥あまりにも急過ぎではありませんか!?)‥」
ゼノ「‥(裁判とセックスは、早い方が良い‥。 相手に策を練らせては負けます)‥」

リアン「‥(‥それもライカンの諺ですか‥?)‥」

ゼノ「‥(いえ、今思いついた言葉ですが‥そうですね、諺と言うことにしておいた方が、説得力が増す気がします‥という訳で、諺です‥)‥」

リアン「‥(もしかして私は馬鹿にされているの‥?)‥」

ゼノ「‥(私を信じてください、ビリーブミー)‥」

リアン「‥(‥で、では、せめてお風呂に‥!)‥」

ゼノ「‥(大丈夫です、ちょっとゲロ臭いぐらいの方が、男は興奮します)‥」

リアン「‥(ちょ‥ライカンと一緒にしないで!)‥」

ゼノ「‥(ノープロブレム)‥」

リアン「‥(聞きなさいよ! 人の話を! わ、私‥初めてなのですよ!?)‥」

ゼノ「‥(存じております。 問題ありません、私がお手伝いいたします‥)‥」

リアン「‥(手伝い‥!? ちょっと‥貴女何を言っているの!?)‥」

………………
…………
……


ゼノ「‥お待たせいたしました‥ヤるそうです‥」

リアン「お待ちなさい! まだ私はヤルなどとは一言も‥!!」

潤「ありがとうリアン、嬉しいよ」

リアン「‥は‥ぇ‥? 嬉‥しい‥?」

潤「そりゃそうだよ、こんな綺麗な子を抱けるんだから、嬉しいに決まってる」

リアン「‥ぁ‥ぅ‥えっと‥あの‥では‥シャワーを浴びてきても‥よろしいですか‥?」

潤「ん? いや、別のそのままで構わないよ?」

リアン「わ、私が構うのです!!」

潤「なんだよぉ‥せっかく盛り上がってきたのに‥」

リアン「あ‥あの‥潤様‥? なにか潤様までキャラが違うくありません‥?」

潤「そうかな‥? なんだか妙にテンションが高いのは自覚してるけど」

ゼノ「‥潤様は、先ほどリアン様の血を口にされましたので‥その影響かと‥」

潤「あ、そうなの? そういうもの?」

ゼノ「はい‥そして当然、リアン様にも影響がございます‥ご覧ください‥」

潤「‥ん? あ、リアン‥足‥」

リアン「‥え? ‥ぁ‥!」

ゼノ「‥ご覧のように、既に愛液が太ももを伝い、足首まで‥」

リアン「ぁ‥ぅ! ち、違います! これはその! きゅ‥吸血の影響で! 別に私が特別いやらしい娘だということではなくて‥!」

潤「あれ? でも、ゼノさんは普通だね? 俺に血を吸われたのに」

ゼノ「‥ご覧になられますか? 実は数時間前から垂れ流し状態でしたが、状況が状況だけに、精神力と適度な運動でごまかしておりました‥」

リアン「‥じゅ‥潤様! ゼノの血を吸われたのですか!?」

潤「うん‥まぁ、俺、死に掛けてたからね‥ゼノさんは命の恩人だね」

ゼノ「‥潤様のためなら死ねます‥」

リアン「‥む‥潤様もゼノも、妙にテンションが高いのは、そのせいなんですね!?」

潤「よくわからないけどさ、妙にウキウキしてる感じ?」

リアン「‥なんか‥いいのでしょうか? こんな、その場のノリだけみたいな勢いで抱かれてしまっても‥」

潤「大丈夫、ちゃんと大切にするから‥血も分けた、眼球も交換した‥リアンはもう、他人じゃない‥」

リアン「‥潤様‥」

ゼノ「‥では‥早速始めることに致しましょう‥」

リアン「なんで脱いでる!?」

ゼノ「お二人とも裸でいらっしゃるのに‥私だけ服を着ていては恥ずかしいではありませんか‥。 さぁ、リアン様?」

リアン「‥え? ちょっと‥お待ちなさい! なにを‥!」

ドサッ

リアン「‥きゃっ‥!」

ゼノ「‥リアン様‥はい‥こうして‥ご自分で膝の裏を‥こう‥」

リアン「ちょっと‥ゼノ!? おやめなさ‥あっ!」

リアン「いやぁぁぁ!!」

ゼノ「さ‥潤様‥」

潤「‥うわぁ‥」

リアン「‥‥ひっ‥‥」

リアン:み、見られてる‥見られてます‥!
リアン:あ‥やだ‥恥ずかしい‥。

潤「‥おぉ‥ヒクヒクしてる‥」

リアン「いやぁ!!」

リアン:や、やぁ‥み、見ないで‥!
リアン:か、勝手に‥ヒクヒク動いて‥ダメ‥意識すればするほど‥動いてしまう‥!

潤「‥‥‥‥‥‥‥‥」

リアン「‥あ‥だ‥」

ゼノ「‥どうか、されましたか‥?」

潤「ん‥いや、どうしたものかなと‥」

ゼノ「潤様は、経験がお有りなのでしょう‥?」

潤「そうなんだけど‥3人でってのは、未経験って言うか‥なんか恥ずかしいな‥」

ゼノ「‥なにも特別なことはありません、私の存在はないものとお考えください‥。 いつもは、どのようにされていらっしゃるのですか‥?」

潤「‥そうだなぁ‥優しくしている振りをして、実は苛めてるような感じ?」

ゼノ「‥マニアックですね‥」

潤「語りかけながらするから、相手も変に緊張しないし、結構好きに出来るから楽なんだよね‥。 リカさん、素直じゃないから‥」

リアン「‥こ、この状況で! 他の女の話をしますか‥!?」

潤「あ、そっか‥ごめんよ‥リアンのオ○ンコ、綺麗だよ?」

リアン「そ‥そんな取ってつけたような褒め言葉‥! それに! そんなところを褒められても嬉しくありません!」

潤「そう? でも今、ギュって力入れたよね? ちょっと意識した?」

リアン「‥ぁ‥ぅ‥や‥それは‥別に! 意識してそうなった訳では‥!」

潤「リアンは‥俺のこと好き‥?」

リアン「‥ぅ‥」

潤「‥好き‥?」

リアン「‥ほ、他の女にも‥そんな質問を‥?」

潤「今は、キミに質問しているんだよ‥」

リアン「あ、あの女は‥リカは‥なんと答えるのですか‥?」

潤「‥困ったな‥あのねリアン、今は俺、キミだけに集中したいんだけど‥」

リアン「ごまかさないでください!」

潤「‥リアン‥」

リアン「‥ぁ‥」

リアン:少し眉を下げた潤様の顔が、ジッとこちらの目を見たまま近づいてくる‥。
リアン:ソッと伸ばされた手が、私の胸に触れた‥。

リアン「‥嫌‥」

リアン:‥比較される‥。
リアン:きっと潤様は‥あの女の胸と、私の胸を触り比べている‥。
リアン:嫌だ‥やめ‥て‥。

潤「‥リアン‥俺はキミを誰かと比べたりはしない‥。 キミはキミとして、愛していきたい‥だから‥」

リアン「‥だか‥ら‥?」

潤「やらせて?」

リアン「私の胸から手をお放しなさいっ!」

潤「‥あれぇ? 困ったな‥」

ゼノ「‥潤様、リアン様は私が押さえつけておきますので‥もう一気にズブリとブチ込んでしまってはいかがでしょう‥?」

リアン「‥ちょ‥! ゼノッ‥!?」

潤「いや、それは可哀想だよ。 初体験がレイプまがいの行為だったなんて、今後の夫婦生活にもなにかと後遺症が出そうだし‥」

リアン「‥夫婦‥生活‥?」

潤「主に、夜の営み?」

リアン「‥最近‥潤様がよくわからなくなってきました‥私‥」

ゼノ「‥潤様も、照れていらっしゃるのですよ‥。 リアン様の緊張をほぐそうと、わざとそのように振舞っているのです‥それを理解して、受け入れられるのが妻です‥」

リアン「‥妻‥」

潤「あぁ‥嫌だなぁ、そういう男側の不安をバラさないでよ‥。 やっぱりなんかやりにくいよゼノさん‥」

ゼノ「‥でしたら、この場は私に仕切らせて頂けないでしょうか‥?」

潤「えぇ‥?」

ゼノ「‥本来であれば、ここで私がこの場から姿を消して‥お二人に任せてしまうのが良いのでしょうが‥どうにも潤様は優しすぎるきらいもありまして‥

ゼノ「リアン様の不安がるご様子に趣を削がれ『また今度にしようか?』とか、言い出しそうな気がします‥」

潤「‥別に、慌てることもないと思うけどな‥」

ゼノ「‥別にリアン様がさせてくれなくても、他にさせてくれる女は居ると‥?」

潤「いや、そういう言い方はやめてよ‥」

リアン「‥む‥」

潤「ほら見ろ、リアンがへそ曲げ始めた」

ゼノ「簡単なことです‥。 リアン様が欲しいのでしたら、力ずくで手に入れてしまうのです‥」

潤「だから、無理矢理はダメだって。 嫌な思い出が残ったら、もうさせてくれなくなっちゃうだろ?」

ゼノ「ですから‥ここは私めにお任せを‥。 こう見えても、長年王家に仕えてきたジェイルバーン家の娘です‥。 性に関しても、幼い頃より学んできております‥」