ベルチェと操がお送りする、ムーンタイズのはてなに解説コーナーオープン!
各キャラのムーンタイズについても更新していくのでお楽しみに!

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−−−−−−第二回−−−−−
セカンドブレイン構造・第2の脳『V神経網』って、なんなのよぅ!?

操「では! 吸血鬼の核とも言える器官、エンジェル・コアと、それに付随する『V神経網』について教えてください!」

ベルチェ「うむ。 エンジェル・コアとは、その名の通り『天使の瘤』と呼ばれる、吸血鬼特有の器官だ」

ベルチェ「そしてそのエンジェル・コアから伸びる神経網、それが『V神経網』であり、吸血鬼のムーンタイズの源である『セカンドブレイン構造』となる」

ベルチェ「通常、人間の神経繊維の情報伝達速度は秒速100メートル前後である」

ベルチェ「脳から発せられた電気信号は、各神経細胞に伝達される」

ベルチェ「脳から信号を受けた神経細胞は、神経ホルモンのアセチルコリンを分泌」

ベルチェ「神経ホルモンの分泌を感知したレセプター(細胞膜)はシナプスを伝い細胞内のアデノシン3リン酸に加水分解反応を起こさせる」

ベルチェ「人間はこの複雑なステップを踏むことで活動している訳だ」

ベルチェ「一方吸血鬼は、血液中に特殊なウイルスを飼っている」

ベルチェ「これを吸血鬼細菌、略式名Vウイルスと呼称する」

ベルチェ「Vウイルスは、血液と一緒に体外に排出されると、数十分で死滅することが確認されている」

操「へぇ、意外と弱いウイルスなんだね」

ベルチェ「Vウイルスがクマムシ並みにタフなウイルスだったら、今頃世界中は吸血鬼だらけになってるよ」

ベルチェ「天然のVウイルスの他にも、人間の手による『改良型(NV)』も存在するが‥この辺の話はまた今度にして、話を戻そう」

ベルチェ「吸血鬼の血液内のVウイルスは、毛細血管内を自力で移動し、大脳視床下部に到達すると、神経に特殊な電気信号を送る」

ベルチェ「それを受けた神経細胞は、まったく新しい神経網の構築を開始、通常細胞繊維の上に、網目状の追加繊維とも言える神経網を築き上げる」

ベルチェ「追加された神経繊維網は、電気抵抗値が極度に低く、電気信号の伝達速度は秒速千メートルを超える」

ベルチェ「さらに、電気式からホルモン式にコンバートされる通常の伝達プロセスとは違い、追加神経繊維網は網目状のバイパスを伝い、電気信号のままダイレクトに細胞に働きかけることで、劣化のない高速通信が可能となる」

ベルチェ「この特殊な神経網のエレクトロマイグレーションが発生するノイズによって、人間には不可能と言われる量子の波動をコントロールすることが可能になる」

ベルチェ「V神経網が第2の脳味噌と言われるのは、神経網=プロセッシングユニット=ニューロコンピュータという考えかただな」

ベルチェ「いわゆるこれが『魔法』の正体という解釈だよ。 理解できたか?」

操「‥え?」

ベルチェ「‥いや、聞いてろよせめて‥礼儀として! オマエが聞いたから説明してやっているのだろうが!!」

操「あ、うん、聞いてたよ? へーふーん、あーそー、そりゃスゲェなマジで、うん」

ベルチェ「おい操、オマエ、なにか棒のような物を持ってないか?」

操「‥棒? なにに使うの?」

ベルチェ「オマエを殴る時、手が痛くなったら嫌じゃないか」

操「物騒なチビだな」

ベルチェ「棒で殴られる程度で済んでいるうちに謝れよオマエ‥」

操「いやー、それにしても、ムーンタイズ凄いね。 無敵じゃない?」

ベルチェ「いや、一見弱点などないように見えるムーンタイズだが、もちろん弱点はある」

操「ほうほう。 例えばどんな?」

ベルチェ「前出のように、吸血鬼はエレクトロマイグレーション(電気信号がぶつかった衝撃で細胞が破壊されてしまう現象)のノイズでAND or NOTの計算を行なう」

ベルチェ「となると、必然的に電気信号の衝突で発熱し、エンジェル・コアが熱膨張を起こしてしまう」

ベルチェ「連続フル稼動時には数分で限界に達するし、体温が45度をこえると、脳細胞が死滅を始める」

ベルチェ「吸血鬼が魔法を使いすぎると頭痛を訴えるのはこの為だな」

ベルチェ「また、体調や潮汐力の影響でマイグレーションエラー(ディトネーション)を起こすため、通常時は転送速度を落としているが、吸血鬼になりたての頃は、この手の抑制が上手に出来ないため、頻繁にディトネーションを起こして頭が痛くなったりもする」

ベルチェ「他にも、エンジェル・コアによる脳幹の圧迫が原因で、脳障害の発生(一次記憶不良、二次記憶の欠損)や、メニエール病の併発、細かな体質変化(食品アレルギーの発生)なども問題視されているな」

ベルチェ「リアンのサポニンアレルギーや、視力の低下なんかも、エンジェル・コアが原因と思われる」

操「V神経網のメリットとして挙げられることの多い『回復能力』では、どうにもならないの?」

ベルチェ「生き物としてのバランスを崩すことで得られるのがムーンタイズだからな、回復能力の源であるV神経網を元に戻すことは出来んよ」

ベルチェ「それに、実はその回復能力にも大きな問題がある」

ベルチェ「V神経網には高速な低圧電流が流れるため、回路が切断されると漏電箇所から発熱する」

ベルチェ「銀の弾丸を身体に撃ち込まれると、その弾丸に高速電気信号がぶつかって高温で発熱し、機能不全を起こす」

ベルチェ「ダイラス・リーンが9mmという決して貫通力の強くない弾丸を使用しているのも、吸血鬼の体内に弾丸を残し、内部からショートさせるのが主な目的だからだ」

ベルチェ「奴らは小口径の銃で吸血鬼の動きを封じ、出来るだけ原型をとどめたまま研究所へ持ち帰ることを前提としている」

ベルチェ「もし捕獲に失敗しても、逃げ帰った吸血鬼を治療をするためには施設を用意しなければならないので、結果的に吸血鬼側に経済的な負担を与えることが出来る‥という発想だな」

ベルチェ「それ故に、リカのような、大口径銃による『ヘッド・チョッパー』は、実は違反行為なのだが、まぁ‥頭の意見と現場の行動が違うのは、よくあることだよ」

操「死んだら放置するだけだけど、負傷すれば病院に連れ帰らなければいけない‥豆鉄砲を使う理由も、ちゃんとあるんだね‥」

ベルチェ「なぁに、吸血鬼の怪我なんざ、ご飯粒つけときゃ治るよ」

操「‥貴重なご意見、ありがとうございました‥」
操「という訳で! 『ムーンタイズって、なんなのさ!?』のコーナーを終わります! 次回は『波動関数ってなんザンス!?』でお会いいたしましょう!」

ベルチェ「だから! 私はやらんぞっ!?」

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